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家づくりコラム 2025.12.13

特別講演会「山からのたより」/「自然流の会」記念講演会          5月31日

小林住宅工業は、自然素材を活かした健康で長く住める家づくりを大切にしてきました。
その考え方をより広く社会に伝え、学び合う場として設立されたのが、一般社団法人「自然流の会」です。

自然流の会は、設計者や施工者、林業関係者などが集まり、「人と自然にやさしい家づくり」を次世代につなぐことを目的とした団体で、社会問題に対して、講師を招いて講演会を開催しています。

今回は、「山からの便り」と題して、
かながわ県民センター会議室にて、自然流の家の構造材を提供していただいている紀州山長商店の真鍋淳弘さんに、林業の今というテーマで現場での実体験をもとに、国産材の魅力とそれを活かした木材活用の現状について語っていただきましたので、その概要をまとめました。

1)国産材と輸入材の現状

国内では国産材の利用が推奨されていますが、輸入材が多く流入することで、国産材の市場シェアは減少傾向にあるそうで、ウッドショック後には一時的に価格が上がりましたが、現在は再び輸入材の影響で下落しているということです。国産材の利用を広めるためには、価格だけでなく、環境への貢献や資源としての価値も理解してもらうことが大切だということです。

2)木材の特性と育林の重要性

木は光合成でCO₂を吸収し、炭素を固定する自然の力を持っています。建材として使うことで、私たちの生活の中で間接的に脱炭素に貢献できるのです。しかし若木はCO₂をどんどん吸収して成長しますが、50年ほどたつとだんだんと吸収量が少なくなります。そこでちょうどそのくらいの年数の木を伐採し、良質な木材として利用するという、長期的で適切な樹木育成管理による計画的な世代交代が欠かせません。ヒノキやスギなどの木材は年齢によって強度が変わることが研究で明らかになっており、適切な成長期間を確保することも重要だということです。

3)木材の管理と活用

和歌山県の森林は95%が民有林で、大変に管理が行き届いています。一方木材の品質を保つには、植林、成長管理、乾燥、選別など細やかな作業が必要です。たとえば、白蟻への耐性は樹種によって異なり、ヒノキは特に強いことがわかっています。
さらに、曲がりや芯の位置なども木材の価値に大きく影響します。こうした木の特性に配慮して木材を選び、活用することが必要だということです。

4)消費者への理解促進

木材の魅力は、現地現場を知らないと分かりにくいものです。国産材を使うことは、森林資源の維持や次世代への継承、CO₂固定にもつながります。消費者に木材の特徴や育林の大切さを伝えることは、持続可能な利用を進めるうえで欠かせません。

国産材は環境面、地域経済、木材の品質の面でも重要です。育林、選別、消費者への理解促進を組み合わせることで、その価値を最大限に引き出すことができます。林業者、建築関係者、消費者が協力して、国産材の魅力を次世代につなげていきたいものです。

ということで、今回の講演は、現在の林業の状況、問題点、そしてこれから私たちがどのように身近に樹と山と付き合っていくとよいのかなどとても示唆に富む勉強でした。